電気自動車に乗って半年が経ちました

 三浦淳宏さん(S34卒)からまたまた「投稿フォーム」経由で近況のお便りをいただきました。前回の予告 『次回はチッョとまじめに、本業の電気屋としてのレポートの 「電気自動車に乗って半年が経過しました」 を送信の予定です』 の通りの内容でかなりの長文です。
 

 私は中学の頃、ジャズが聴きたくて組み立てた並四ラヂヲに魅せられてしまって電気屋になってしまいました。以来、半世紀以上も電気に携われている幸せ一杯の電気バカです。
 去年十月、電気屋の集大成として、軽電気自動車を五年リースで手に入れました。車両価格は分不相応でしたが、子供の頃、遊園地の自動車に一度も乗せてもらったことのない私にとって、電気自動車は大きな夢でした。
 
 さて、前説はこのぐらいにしまして、先ず試乗した感想は、「静か」でした。キーを回しても「ピンポン」というチャイム音しか耳に入りません。
 試乗方々近所のスパーマーケットに出向き、かみさんに電気自動車を買うことに賛同頂くために「アイスクリーム」を買って、いざ帰宅の段になってキーを回しても「ピンポン」の音とディスプレに「read」の緑の文字が現れるだけです。
 慌ててディラーの営業さんに電話を入れていろいろ尋ねてもらちがあきません。そこで、スーパーまで出向いてもらって、ご指導を賜ることにしました。時は九月の猛暑です。先に買った「アイスクリーム」がドライアイスの中で段々と形を変えて往っていました。
 なんと、私がキーを回すところも全部正解でした。やっていなかったことは、変速機をRにしてアクセルを踏み込むことでした。それ程、静かに走る自動車でした。
 
 それから約一か月後、電気自動車がやってきました。私はこの自動車の「黄昏号」という名前をつけて、走行等のデーターを残すことにしました。そのデーター表によると、納車時の走行可能電池容量は119kmと記載されています。
 当日、昼間の気温は25℃、走行距離は36kmで走行可能電池容量は65kmですから、走行電池容量は54kmとなります。 36kmを走るのに54km分の電池を消費したことになります。
 今から思えば、随分能率の悪い走行をしています。今ですと、走行距離と走行電池容量がほぼ等しいぐらいまで走ることができます。カタログによる走行可能距離は128kmとなっていますが、信号のない舗装道路ならそこそこの距離になると思います。購入時の気温は25℃前後でしたので、エヤコンや暖房を入れることはありませんでした。
 
 しかし、十一月の下旬になって10℃ぐらいの気温の中の走行には暖房を入れています。暖房を入れますと、走行可能電池容量が0.6倍になります。例えば、走行可能電池容量が100kmあった場合に暖房を入れると一気に60kmに減少します。従って、真冬に走行できる目的地までの距離は60/2=30[km]となります。
 
 更に、坂道がありますと、その道路の傾斜角度が大きくなるとかなり多くの電池容量が必要になります。そして、その坂道を下る場合、モーターが発電機に自動的に切り替わって充電するのですが、登りに使用した量の半分程度の充電量の様です。
 坂道の多い道のりは、走行距離の30%増しの電池容量が必要ではないでしょうか。おまけに、その坂の頂上までの走行可能な電池容量は必要ですから、急登坂のある場合はかなり電池容量に余裕が必要です。また、外気が25℃ぐらいの時、クーラーを入れると走行可能電池容量が0.7倍となります。
 
 厄介なものが他にもあります。夜間の雨天の走行です。この自動車はライトがハロゲン電球ですので、LEDに比較しますと消費電力が多いので、こまめに点灯・消灯をして節電に心がける必要がありました。
 また、強風の中の走行で、向い風になりますとかなり電池容量が必要でした。これも20~30%増しの電池容量が必要でした。
 
 四月中旬までの走行距離が約3,500kmですから、約20km/日の走行になります。充電は深夜料金で1円/kmぐらいです。
 
 リチュウム電池はメモリー機能がないと云われていますが、なかなかどうして、チャンと賢く充放電しているようです。
 通常3日/回の充電ですが、普通の走行の後で残量が50kmぐらいありますと充電完了時の走行可能電池容量は平均110kmぐらいです。比較的高速走行した後、残量が20kmぐらいで100V充電しますと128km一杯に充電ができています。また、200V充電ですと、100V充電より10%程度充電量が少ないようです。
 一回の充電で走行可能充電量110kmは信号の多い市街地ですと実際の走行距離はエコモードで0.7掛けの80km程度で、信号の比較的少ない郊外を20~30km/hで同じモードで走行すると、1.4掛けの150kmぐらいは走行できます。
 
 電池を効率よく使用するためには

  1. 急な発進・加速は控える。
  2. 車間距離を保って、急ブレーキを避ける。急ブレーキをかけても、充電量は少ないためです。
  3. 気温が低い時の走行は暖房を入れずに、厚着をして乗車する。
  4. 陸橋方式の道路は避けて、回り道をしてでも平坦な道路を利用する。
  5. 坂道の下りはエコもしくはBモードで走行して、回生充電量を多くする。
  6. 不要な荷物は積載しない。

 結論としては、まだマニアックな乗り物であると思います。

 タウンカーで環境に優しい自動車に限定するならば申し分ない自動車ですが、自動車の最大の利点である便利さに於いては、少々物足りない感じがしています。それを補う為に急速充電スタンドがあちこちに設置されることが望まれます。

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